#森へゆく径 本屋は誰が殺すのか?

迂闊であった。今日は土曜日だけど息子は土曜日授業の日であった。完全に忘れていたのだ。また今日も、本屋に連れて行くという約束を果たせない。

しかし、朝から本屋にいく気満々で仕立てあがってる気分のやり場に困った。本屋が開く時間になって、娘をつれて本屋に行った。

最寄りの本屋は出来が悪い。いわゆるベストセラー書店ってヤツで、「売れてる本」しか置かない。その弊害が顕著に現れるのが児童書のコーナー。あれ、おそらく、取次の販売データを基に棚を決めてるんだろう。極めて無個性な棚作りをしている。例えば、松谷みよ子が亡くなった直後というのに、松谷みよ子の本なんて、一切置いてない。信じられる?「いないいないばあ」も「ちいさいモモちゃん」も「まちんと」も置いてない児童書コーナーって?その代わりに置いてあるのが、ディズニー映画やテレビ番組との企画連動絵本と、近くにある某有名私立小学校への「お受験」対策絵本の類だ。

いつもここの児童書の棚をみると悲しくなる。そんなことおかまいなしに娘も最初のうちはキャハハうふふしてる。でも、しばらくすると5歳の子でも「ここの本屋さん、おもしろくないねー」とか言い出す。

「そろそろ一冊選んで帰ろうか」と声をかけると、「うん!でも、パパ選んで!パパの選ぶ本おもしろいもん!」という。

…こいつもか。こいつも俺に本を選ばせるのか!兄妹そろって残酷な奴らめ!

でもこうも可愛くにっこり頼まれると、無下に断るわけにもいかない。どんな本がいいのか、可愛いのがいいのか、怖いのがいいのか、ハラハラするのがいいのか尋ねてみたら「悲しいお話がよみたいの」とかいう。珍しいことを言うので理由をきいたら「だってパパ、いま、すごくかなしそうな顔してる」と言いやがる。そうだな、ここの棚みてると悲しくなるんだよ。子供には子供の頃に読んどかなきゃいけない本がある。それが一切ないのが悲しいのよ。

じゃあ ってんで棚を物色した。探せばある。探せばあるはずだ。しかし、ないのよ。一間(つまり1818mm)の棚が都合4面あるのに、ほんとうにない。あちこち掘るように探してようやくみつけた。

最近の本屋は、児童書ひとつでもこんなに苦労しなきゃいけない。都内の僕の家の近くはまだマシなほうだろう。少し郊外にいけば児童書の棚そのものがなくて漫画の棚が代用しているところもある。

これじゃ、本を読む次の世代が生まれないのじゃないのかな。読み手が本屋を殺すのか、本屋が読み手を殺すのか、最近だんだんわからなくなってきた。

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